山口進は東京大学教養学部の正門をデザインした人物です。柏の葉とオリーブの意匠、旧制第一高等学校の校章が埋め込まれた正門は、昭和13年に完成しました。
一箱の饅頭をきっかけとして、大正14年末から一高に勤務していた山口は、この時既に版画家としても活躍していました。国内外の版画展等に出品するなど、精力的な活動を行っており、その実力を買われ、起用されましたものと思われます。
山口の携わった堅固な造りの堂々たる正門は、それ故に一高生の伝統を揺るがす事件をも巻き起こしました。
一高職員、山口進の画業と交友を通して見えてくる、一高の様相をお楽しみ下さい。
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