第六十回紀念祭寮歌 《 日のしづく 》 後藤 昌次郎・作詞 丘の最後の紀念祭に 夜の歌 日のしづくしづくのごとに たまゆらのいのちかなしみ たどり來てふりさけみれば ふかき夜のよどみのそこひ くろぐろと空をかぎりて ふるさとの塔はそびえぬ 星々はみだれとびかひ まがつ氣のただよふまヽに ひとのよはゆくへしらぬを さだめなる光こがれつ 橄欖のみづの葉かげに 旅の子はそらを仰ぎぬ あめはるかしろがねのかは たへの音にながれめぐりて あたらしき星や生れたる あらヽぎをめぐりてもゆる あかあかきほのほのかなた いつかしき星のまたヽき あヽ北斗 光あれうましふるさと いざさらば向ヶ丘よ (昭和二十四年) この寮歌は一高最後の寮歌である。 そして紀念祭では作曲されずに歌詞のみが発表された。 後年(平成15年)になって、作詞者の級友である矢部 徹が作曲し同年の24年卒理甲一組の会で歌われたのが最初である。 寄宿寮委員が選定する機会がなくなってからの作曲で、平成16年版の最後の寮歌集の最終(477ページ)に参考譜として掲載されている。 |