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第五十八回紀念祭寮歌 《 りょうりょうと

宮地 裕・作詞
白鳥 正人・作曲


   向陵悲傷訣別の歌

一、
りょうりょうと笛吹けや友
かなしきは追はじと言ひし
君のみは寒空を
雄心おごころの調べ鳴らさむ
  たまゆらの春にいのちはありやなし
  丘にも花は咲きにしを
  あてなる花は咲きにしを

二、
くさぐさの想ひに満つる
春秋はるあきは逝きてかへらね
われにあり今宵のまつり
いんいんとつゞみ打たばや
  とことはの月の光はありやなし
  もりにも塔の火はあるを
  わびしき塔の火はあるを

三、
み星飛びみ星落ちぬる
この丘に擧ぐる杯
杜の火に盡きぬなごりの
ほのほ燃ゆ酒ほせやほせ
  りがたき友になげきはありやなし
  瞳にやどす露なきも
  あふるゝ玉の露なきも

四、
さらば舞へこの夜一夜ひとよ
むら立ち火の子躍れり
あかあかき頬にかゞよふ
ひとすぢのいのちたゝへむ
  血塗りてし歌にひゞきはありやなし
  悲傷のさだめ別れこそ
  悲傷のさだめ別れこそ

                  (昭和二十二年)

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