第二十七回紀念祭寮歌 《 圖南の翼千萬里 》 高原 弘・作詞 圖南の翼千萬里 高粱實る満州の 遼河のほとり月落ちて 蕭々班馬啼くあたり 此處絶東の柏の蔭 乾坤遠く夢は飛ぶ 二、 白玉山に夕日落ち 異疆の鐘は響きけり 老鐵山に草深く 蒼々暮るゝ山河の地 胡沙ふく風に恨みあり 夢に咽ぶか朧月 三、 黒雲躍る南溟の 漣白き椰子のかげ 落日海に流る時 鴻雁斜に掠めゆく 見よ海原は暮れんとす 闇にきらめく北斗星 四、 空飛ぶ鳥の定めなき 行衛を偲ぶ若人の 夢破れる時暁の 明星光り褪せゆけば 紫雲に昇る旭日に 春訪れて風薫る 五、 新春光り輝きて 残んの雲に色映ゆる 向ヶ丘にそゝり立つ 我等が城の宴の日 銀燭のもと影うごき 思ひ出深し永久に (大正六年 東寮) |