第二十三回紀念祭寮歌 《 春、繚亂の 》 藤田 八郎・作詞 春、繚亂の夕まぐれ 花、向陵を埋めては 今宵かすみの丘の上に 友よ歌はん紀念祭 柏の蔭に夜もすがら きらめく星の消ゆるまで 二、 さはれ都南の秋の夜半 あらしは叫び露は泣き 新陵、月は暗くして 梢の風に恨あり あゝ、行く雲よ弦月よ 永久にまもれ嶺の松 三、 建國二千五百年 世紀の流れ清くして 國威は遠く窮北の 朔風狂ふサガレンや 楊柳、花の散る蔭に 西、遼東を照さずや 四、 嗚呼金陵の血は涸れて 山河はるかに胡笳の聲 ガンヂス河の夕けむり 榮華の夢の跡もなし ひとり東亜の波の空 旭の色は燃ゆる哉 五、 バルカンの野に雲亂れ 洞庭あはれ波立ちぬ 長槍快馬に鞭を擧げ 単騎鐵衣の袖かへし 乾坤胸に抱きつゝ 四海にふるへ柏葉兒 (大正二年 朶寮) |