第二十回紀念祭寮歌 《 青鸞精を啄みし 》
一、
青鸞精を啄みし 色清艶の春の花
黄鶴魂を懐きてし 珠(瓔珞の曙の露
花と露とを織り化(せる 瑞雲立ちぬ武香陵
二、
細塵築き山なせば 風雲外(に立ち迷ひ
滴水湛(へ淵なせば 蚊龍内に潜むなり
龍雲凝りて今こゝに 青史飾りぬ廿年
三、
傲慢(の酒に人醉へど 花とこしへに春ならず
熟睡(に榮華夢みれど 月とこしへに圓(からず
圖南の翼高張りて 天(翔(り行く自治の兒ら
四、
北満城下何の夢 鶏(の暗冥醒めやらず
覆載(の恩顧仇に見て 狼(友よぶ聲たかし
あゝ蕭條か凄愴か 禍神(何の嫉妬(ぞや
五、
普天何れの所にも 率土何れの民等にも
恨みん術はあら浪の 頻(鳴る渡(に平和(なし
嗚呼英雄よ未来(永劫(に 四海の濱の光たれ
六、
今繚亂の花むしろ 美(し薫りの欄干(に
集へる男子(一千よ 夜すがら歌ふ自治の譜の
妙音(響かせ反響(して 祝へや二十紀念祭
(明治四十三年西寮)
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