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第三十九回紀念祭寮歌 《
しゞまなる
》
福原 忠男・作詞
長内 端・作曲
一、
しゞまなる丘べに立てば 西のかた
映
(
あか
)
くのぞまる
大い
宇宙
(
よ
)
に
人生
(
いのち
)
を恵む 若き児の頬に
寂
(
さび
)
あり
二、
春はいま丘にたゞよふ はろかなる
懐疑
(
おもひ
)
のうちに
涙さへしらず流るゝ 花のもと夕暗薄し
三、
時は逝く淡く
陰影
(
かげ
)
して かすれゆく草笛の音に
美
(
うるは
)
しき想ひを載せし
空虚
(
うつろ
)
なる日ぞなつかしや
四、
酒杯
(
さかづき
)
に唇はふるとも ふたつなき夢のかへらず
高樓
(
たかどの
)
の淡き燈かげに いざなはる
哀歡
(
かなしみ
)
の歌
五、
若ければ
野心
(
のぞみ
)
のまゝに 誇らかに
光栄
(
はえ
)
に聳ゆる
この丘にのぼりて三年
現実
(
まこと
)
なる世をば知りたり
六、
明日よりは荊ふ旅路 涯しなき行方正しく
見きはむる力たくはへ
黎明
(
あかつき
)
を静に待たん
七、
今宵みな花にまどゐし 若き幸かたみに
享
(
う
)
けつ
あゝ友よ心ゆくまで 歌へかしふるさとの曲
(昭和四年)
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