第四十五回紀念祭寮歌 《 大海原の 》 大森 羊太・作詞 大海原の潮 尚武と思慮の日を送る 母校の友よいざ來れ 今日は佳き日ぞ諸共に 高鳴る胸を躍らせて 吾が住み慣れし城郭に 発展の文字示さずや 二、 時は流れつ惜しきかな 想ひ溢るゝ青春の 熱き血潮に奏でたる あしたゆふべの物語 積り積りし故里の 誇りの歴史あとにして 心の國と別れゆく 断腸の運如何にせん 三、 秋津島根に建國の 理想を繼ぎて文化國 築く力を育てしが やがて荒らされゆく丘よ 嗚呼思ひ出の八つの寮 汝の黒く年經たる 壁に無限の黙示あり そこに我等が夢宿る 四、 柏の露に浴 眉 若き生命 真理を競ひ燈 五、 さらば向ヶ丘の地よ 其の名は薫れ永遠に 今こそ立ちて雄々しくも 新しき土耕して 吾が前進の路建てん 郁々として甦る 光を浴びて壽げば 意義ある四十五の祭 (昭和十年東大) |