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第四十四回紀念祭寮歌 《 梓弓

佐藤 竹雄・作詞
田中 芳男・作曲

一、
梓弓春さり來れば とよみ出づ生命いのちの調べ
櫻花吹雪わたりて 萌え出でぬ岡邊の緑
今日しもぞ紀念の宴 頬燃ゆる若き友等は
感激の杯擧げて 四十四の光栄はえを祝へる

二、
見よ高く篝火かがりびは燃え まどゐする窓の赤きに
うつろなる心抱きて われ友と丘に上りぬ
「今宵こそ祭なりしか 去年こぞ我も立ちて舞ひにき
若さこそ誇なりしを 感激は生命いのちなりしを

三、
荊棘いばらなる人生ひとよ旅路みちに めぐみなる岡の三つとせ
自由ままにして胸うちひらき 物怖ぢず眦見さけ
われ想ひわれ疑へり われ叫びわれ戰へり
柏蔭かしかげは力なりけり 橄欖は叡智ちえを香りき

四、
八寮の甍は古りぬ 神さびて影や尊し
幾人いくたりれ登りて 幾人いくたりか偲びて去れる
傳統つたへなる自治の流に 我も亦心清めぬ
祝はなむ紀念の祭 篝火かがり燃え友等集へり

                    (昭和九年)

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