第九回紀念祭寮歌 《 思へば遠し 》 「大捷軍歌海城逆襲」の譜 一、思へば遠し神の御代 たぐひなき香にさき出でて いや年々に榮え行く 吉野の山の山ざくら 二、 根こじにこじて梓弓 彌生の岡に植ゑしより あらぬ嵐をよそにして 今年第九の春の空 三、 世は文明の花ざかり 打見めでたき色にゑひ 心も空におのがじし あくがれ暮す昨日今日 四、 霞がくれに雲わきぬ 今吹きくらんさよ嵐 覺めよ世の人心せよ 春時じくに春ならず 五、 文明の花風に散り 開化の眠夢さめば いづち辿らん夏野原 露や千草に繁からし 六、 霞に眠る人はいさ 色香に醉へる人はいさ 十九世紀は去らんとす 立て自治寮の健男児 七、 立て自治寮の健男児 パリーの園の花さうび とりて移してみよしのの 吉野の花の垣とせん 八、 立て自治寮の健男児 イギリスの野に生ひ茂る 草かり取りて駿河なる 富士の裾野に牛かはん 立て自治寮の健男児 立て自治寮の健男児 立て自治寮の健男児 立て自治寮の健男児 (通常は一、二、七、八番に加えて上記繰り返しを歌って終わる) 九、 今年第九の春の空 枝もたわゝに敷島の 大和心の櫻花 さくや彌生の岡の上 十、 あはれめでたき今日の日や あはれ楽しき今日の日や いざ諸共にやすみしゝ 君が八千代を謳はなん 君が代は千代に八千代にさざれ石の いはほとなりて苔のむすまで (明治三十二年南寮) |