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第三十九回紀念祭寮歌 《 白雲の向伏す高嶺

加藤 勝三・作詞/古賀 寛定・作曲

一、
白雲のむかす高嶺 七谷を水は落つれど
こがれゆくいただきいづこ 眞理まことの花折らむすべなし
夕谿に瀬のも冴えて 旅ぎぬ氷雨ひさめ冷ゆるを
いざ友よ今宵は伏さむ 一つ夢胸に結びて

二、
あめ垂るゝ潮路の限り 波枕共に重ねて
この舟ぞわれ等が住家 かへり見るくがははろかに
ほの白みつゞくわだつみ 白銀しろがね珍珠うづたま秘めて
五百重波深き底ひに 鐘ぞ鳴るいみじその音

三、
選まれて共に上りし 運命さだめなる人生ひとよの旅路
光満つ花の下蔭 語りてし懊悩なやみもありき
霜凍る夜半の嵐に 相寄りてにも泣きしか
三つ年の追懐おもひつきぬに 今日はまた君と別れむ

四、
あけ近み見さくる行手 いやはろに限り知らねば
御教を堅く誓ひて せめて首途かどで祝酒うまき
流らふる狭霧亂れて 新代あらたよの御光射せば
今日もまた丘の櫻樹 あくがれのみそら指さずや

                         (昭和四年)


※ 楽譜は平成16年版の最終寮歌集に拠っています。

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