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第二十六回紀念祭寄贈歌 《 わがたましひの

箕作秋吉・作曲

一、
わがたましひの故郷は  いまも高フわか草に
春の日光のうつつなく  柏の森の葉がくれに
高きを戀ひて日もすがら  小鳥はうたひ暮すらむ

二、
その故郷にありし日は  ながるる雲も吹くかぜも
みな我がために笑ひして  若きいのちを頌へにき
おもへば西の空さして  来つる旅路のわびしさよ

三、
あゝ思ひ出をいとほしみ  光りを追ひて野を行けば
山はひたひを凹ませて  こゝろさみしく打ち黙し
おのれを泣きて落ち滾つ  水のひびきも哀しけれ

            (大正五年 京大) 

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