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第二十四回紀念祭寮歌 《
黎明の靄淡らぎて
》
藤田八郎・作詞/石井銀彌・作曲
一、
黎明
(
あかつき
)
の
靄
(
もや
)淡(うす)らぎて
東
(
ひんがし
)
の風流れ行く
見よ見よ遠く限なき
蒼
(
あお
)
海原は醒め出でて
若き友等を初旅に 乗せ行く船ぞ
舫
(
もや
)
ひする
二、
橄欖の森柏葉下 語らふ春は
盡
(
つ
)
きんとす
嗚呼
紅
(
くれなゐ
)
の
陵
(
おか
)
の夢 其の香其の色
永劫
(
とこしへ
)
に
旅行く子等の
胸
(
むね
)
に生き 強き力とならん哉
三、
我等を守る星の運 其の武運こそ拙くて
矢叫びの跡風吹けば
野
(
や
)
花
(
くわ
)
白うして草亂れ
友の血潮の
紅
(
くれなゐ
)
に 夕日淋しく映えんとす
四、
されど望は盡きざりき
紺碧
(
こんぺき
)
の空
白銀
(
しろがね
)
の
文運の星
瞬
(
またゝ
)
けば 今六寮の若き血は
燎原の火の行く如く 亂れし世をば焼き果てん
五、
短かりしよ其の三年
麗
(
うるは
)
しかりし其の夢よ
今し船出の
餞別
(
はなむけ
)
に 二十四年の
追憶
(
おもひで
)
を
語り明かすも
感激
(
かんげき
)
に 若き心の
躍
(
おど
)
る哉
(大正三年西寮)
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