第五十三回紀念祭寮歌 《 運るもの 》
清水健二郎・作詞/大山哲雄・作曲 一、運るもの星とは呼びて 罌栗のごと砂子の如く 人の住む星は轉びつ 二、 運命ある星の轉べば 青き月赤き大星も 人の子の血潮浴びけん 三、 紫に血潮流れて ふたすぢの劔と劔 運命とはかくもいたまし 四、 いたましき運命はあれど この星の正義呼ばはん 陽の民ら命かしこみ 五、 「大君の命かしこみ 愛しけ眞子の手離り 島傳ひゆく」とうたはん 六、 島傳ひゆくとうたひし 遠つ祖いづちますらん みんなみの耀ふ空や 七、 みんなみの空十字星 眸あげて民ら仰げば 島めぐる椰子の葉青し 八、 椰子の實の枝を離りて 漂ひし時の流れよ 岸に今我ら立ちたり 九、 うち寄する波にくだけし 陳きもの光なきもの 苟知る曉來にけるを 十、 親なる民のしるべと 雄々しくも岡にのぼれば 柏葉に露ぞしづくす 十一、 いみじくも露にうつれる 新星の相よかくて 人の世の運命を秘めぬ 十二、 矜かに運命を秘めて 星転び民等謳はん 天地は朱に映ゆると (昭和十七年六月) |