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第三十九回紀念祭寄贈歌 《 彼は誰の

安永 不二男・作詞
今井 博人・作曲

一、
れの夕づく丘に 燃え立ちぬ紀念祭まつりのかゞり
萬象ものみなは霧にこめられ おしなべて静寂しゞまの底に
沈みてし夜を通して 燃えさかるなりわれらがかゞり

ニ、
白き風丘の上に荒る 消たんとてかゞりのあかり
深まさる夜や何はらむ くろきものわが眼おほへど
北のかた星ひとつあり 赤ひかる星見ずやわが友

三、
ひたぶるに 眞理まことの空を せんとて友よつどへり
北方ほっぽうの星は冴えたり を通し黙示さゝやく
仰ぎ見んかゞり圍みて かゞり圍みて友よいざ寄れ

四、
死の静寂しゞまひたにかぶさる 呑まんとてかゞりのあかり
深まさるや何寄する 厚きもの耳をおほへど
かたに波ひゞくあり ひた寄するしほ聞くやわが友

五、
ひたぶるに自由ままなる王國くにを けんとて友よつどへり
太洋の潮高鳴れり を通し朽ちしくが噛む
乗り出でんかゞり踏み越え かゞり踏み越え友よいざ立て

六、
け近き彌生ヶ丘に 燃え立てよのろしのかゞり
たくましき海のせいもて 進むなり星影ふみつ
曉空あかぞらにかゞり映えたり のろしえたり友よ腕組め

                   (昭和四年 東大)

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