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第三十八回記念祭寮歌 《 あこがれの唄

矢崎 秀雄・作詞/小坂 多果郎・作曲

一、
あこがれの唄胸に秘め 沙漠をよぎる隊商からばん
哀しき遠慕おもひいだきつゝ 幾山河を越えて行く
まことの友を我は見き

二、
橄欖花は咲かねども 若草萌ゆる丘の上に
日ごとまことを求めつゝ 友の憂を我と泣く
心の花を我は見き

三、
いづれは若き男の子らの 長き夢より覺め出でて
あかつきの鐘つきならし 次なる時代ときの豫言する
 端嚴ただしき姿我は見き

四、
鴎の羽のさむざむと 明けゆく海の磯に立ち
新潮の香を身にあびて 落落無限向上の
光れる航路みちを我は見き

五、
定業さだめを神の胸によせ 短き丘の三年に
世界秘奥ひめごとの底をほり 永き生命の法悦よろこび
欣求もとむる人を我は見き

六、
柏の幹は老ゆるとも 誕生うまるゝ子等の血は赤く
今宵三十八年の 紀念祭まつり祝酒さけの觴に
若き生命を我は見ん

                            (昭和三年) 


※ 楽譜は平成16年版の最終寮歌集に拠っています。

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