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第十九回紀念祭寮歌 《 緋縅着けし

♪昭和50年版寮歌集準拠:
♪現状採譜:

佐野秀之助・作詞/長井亜歴山・作曲

一、
緋縅着けし若武者は 鎧に花の香をのせて
旅立ちしより幾春や めぐりてこゝにきたりけむ

二、
遠山がすみ暗に消え 黄金こがね野路のぢにゆきくれて
菜の香にうつる星影に 醉うて明せし春の夜よ

三、
千歳ちとせの色は紺青に 流れて清く汀邊みぎはべ
馬上静かに歌よみて 潮(しお)の香(か)浴(あ)びし夏の日よ

四、
穂に出るすすき白銀しろがねの 野分になびく廣野原
あぶみの露の玉散らし 虫のめし秋の夕

五、
吹雪は空に舞ひ上り 荒涼としてせきとして
豺狼さいろう吠ゆる深山路を 勇みて越えし冬の朝

六、
ふりさけみれば追懐おもひでの 血潮の涙ほとばし
彌生の春の興宴きょうえんに そのいにしへを語らばや

七、
槍は銹びても名はさびぬ 昔ながらの落しざし
さらばよ磨け自治のたま 鍛へよ健児破邪の剣

               (明治四十二年 朶寮)

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