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第四十一回紀念祭寮歌《 彩雲は 》

平木恵治・作詞
長内端・作曲

一、
彩（あや）雲は岡邊に凝りて　花吹雪く新草の上
春此所に猶豫（いざよ）ふ夕　憧（こが）れ來（こ）し誇の群は
降（お）り立ちて巷に高く　嘯（うそぶ）くも青春の賦（うた）

二、
幸のみに暮れし一年　今此所に秋さり來れば
素枯れ葉は音立てゆきて　萬象（ものみな）は荒涼（やぶれ）に化しぬ
幻滅（はかなき）は現（うつゝ）に見えて　哀愁（わびしら）に醒めし吾魂（たま）

三、
こし方を顧みすれば　夢なりし森の三年や
振仰（ふりさ）けて見放（さ）くる彼方　跫（はる）けくも嶮阻（こごし）旅路や
人もがな吾眼拭（めきよ）めて　眞理（まこと）なる祕義（ひごと）指（しめ）さん

四、
ひたむきに偏（こ）らんは淋し　幽玄（かそか）なる自然に融けて
月雪や花も詠（うた）はん　人世（ひとのよ）のなべてを孕み
智識（ちゑ）もめで宗教（おしへ）も容（き）きて　圓満（まどか）なる悟道（さとり）に行かん

五、
されば友歌ひ壽げ　四（よそ）十一（ひと）の自治の祭を
黙示なる時計臺（うてな）無けれど　現實（うつゝ）には光榮（はえ）は古れども
新しき力に激（たぎ）て　巣立つなり翼音（つばおと）高く

六、
君と見し輪廻（りんね）の月の　掟（おきて）とは覺悟（こゝろ）すれども
しかすがに別れもあへず　友情に瞳曇るを
何時か會（み）ん若さに居りて　おゝ友よ永遠（とは）を誓はん

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（昭和六年）

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