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第四十五回紀念祭寄贈歌 《 嗚呼先人の 》

長山 頼正・作詞
木村 弦三・作曲

　　　「音」

一、
嗚呼先人の血と汗の　歴史の榮（はえ）の傳（つたへ）なる
青葉（あおば）の城（しろ）にこだませし　彌生ケ丘の雄叫（おたけ）びに
瑞雲（ずいうん）の空明けゆけば　今日四十五の紀念祭


　　　「想」

二、
杜（もり）の都の明け暮れに　同じ想（おもひ）を抱きつゝ
過ぎし三年（みとせ）を偲びては　語りは盡きぬ柏蔭
北に百里を距（へだ）つとも　丘の誓は變るまじ


　　　「別」

三、
友の契りは堅けれど　岡邊の櫻變らねど
憂は深し八寮の　四十有五の年を經し
我が揺籃の故郷（ふるさと）と　今宵別れの花筵（はなむしろ）


　　　「望」

四、
別れの美酒（うまき）汲みかはし　希望の星を眺むれば
幸福（さち）と光輝（ひかり）の泉ある　駒場の宿の起臥（おきふし）に
自治の燈ゆらめきて　基礎（もとゐ）は永久（とは）に定まらん


　　　「祭」

五、
篝火（かゞりび）天に照（あか）く燃え　今宵限りの丘の上
橄欖の花手に採りて　盃あげて歌ひつゝ
榮ある首途（かどで）祝はなん　あゝ向陵よいざさらば


　　　　　　　　　　　（昭和十年東北大）

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