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第二十五回紀念祭寮歌 《 見よ鞦韆に

阿部 龍夫・作詞
塩谷 壽・作曲

一、
見よ鞦韆しうせんに暮れなやむ 春校庭の朧より
若き愁ひは湧き出でて 悲歌こそ迷へ一筋ひとすじ

二、
われ若ければ嘆きあり 友よと云へば玉杯に
琥珀の酒はこぼれしが 牡丹の浮華はわれ知らず

三、
それ詠嘆の凝るときは 玲瓏八朶富士の雪
慷慨の氣の相搏ちて 散れば萬朶の山櫻

四、
げに修道の草まくら 欣求ごんぐ不断ふだん精進しょうじん
ともす法火ほうくわの清ければ 一路はるけき行方ゆくへかな

五、
今向陵の朝ぼらけ 残雪淡き六寮に
咲くやこの花冬ごもり 「若さ」はかをれ馥郁と

六、
あゝ青春の五々の春 祝宴うたげ燈火ともし紅ければ
いざたかせん今宵こそ 人にゆるさぬわが歌を

                    (大正四年南寮)

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