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第十五回紀念祭寮歌 《 王師の金鼓

松阪 廣政・作詞
杉浦 忠雄・作曲

一、
王師の金鼓地を揺れば 敵軍の旗に亂る
艨艟海を覆ひては 敵片隻の影もなし
野花繚亂の自治の城 健児快楽けらくの時なりや

二、
歴史の光榮はえの十餘年 健児栄華に誇る時
魔軍一度あらびては 覇者の礎動きあり
自治の子つるぎ鞘拂ひ かの外敵を屠らずや

三、
平和の風のそよぎては 人沈滞の色を見る
個人の聲の揚る時 共同の色はたいづこ
自治の子汝の筆とりて かの内寇を誅せずや

四、
籠城十五の今日の春 春や昔の月影に
過ぎにし事を尋ぬれば 月は雲間にかくれけり
自覺の鐘は破れしを 耳しひたりや森の人

五、
緋縅しるき若武者の そびらの梅に風ぞ吹く
長夜の眠今さめて 起つべき時は來りたり
鐵馬の蹄音高く 魔の陣破れ理想の兒

六、
風橄欖の花をのせ 護國の旗を翻す
籬落の外の春の色 未来の光榮に憧憬あこがるゝ
健児一千向陵に 集ふ今宵の紀念祭

              〔明治三十八年東寮〕

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