トップ / 寮歌集 / 筑紫の富士にくれかゝる

上のページに戻る戻る

第二十二回紀念祭寄贈歌 《 筑紫の富士にくれかゝる

石川勝治・作曲

一、
        筑紫の富士にくれかゝる
      夕の色の袖が浦
    渚に立ちておもふとき
      都の春を忍ぶ哉

二、
        千代の松原磯づたひ
      梢をわたる譜のしらべ
    音なつかしく響くとき
      おもふ健兒の歌の曲

三、
        「東風吹かば」など詠じけむ
      宰府さいふの宮は今こゝに
    おとづる人のしげくして
      飛梅とびうめの名のかをりゆく

四、
        其のかんばせにいやまして
      にほひこぼるる向陵の
    梅の根ざしよ心して
      「春な忘れそ」永劫とことは

五、
        西に離れて三百里
      筑紫の果に迷ふ時
    自治の梅花に東風吹かば
      遥かに「匂ひおこせ」かし

六、
        星は移りて二十二の
      榮の數のことほぎに
    彌生が岡を忍びつつ
      杯あぐる紀念祭

                 (明治四十五年九大)  



※ 楽譜は平成16年版の最終寮歌集に拠っています。

印刷用ページ表示印刷 上のページに戻る戻る